
荷主の都合で待たされたとき、軽貨物の荷待ちは何分から記録が必要なのでしょうか。答えは、荷主の都合で30分以上待機したとき。30分という数字は、規則の本文ではなく、国の通達(規則の読み方を示した文書)と案内に書かれている。
本記事は、2026年11月時点の国土交通省の条文集(令和8年6月1日更新)と、国土交通省・運輸局の資料にもとづく内容。国の案内の多くはトラックを例にした説明のため、軽貨物への当てはめは、運輸支局でも確かめてください。最後まで読めば、荷待ちを記録する条件と、残す項目が分かります。Doreco での残し方も紹介します。
もくじ
01軽貨物の荷待ちは、荷主の都合で30分以上待ったときに記録する
荷待ちの記録は、輸送安全規則の第8条にある業務記録の一部。業務記録とは、運転者ごとに、運行の中身を残す記録です。対象は、四輪以上の軽自動車で貨物を運ぶ事業者です。二輪だけの事業者は含まれません。
国土交通省の案内によると、荷待ちと荷役作業の記録は、もともと車両総重量8トン以上といった大きな車が対象でした。2025年4月1日から、全車両に広がっています。
順に見ていきましょう。
荷主の都合で30分以上待機したときが、記録の対象で、30分未満は省略できる
荷待ちを記録するのは、荷主の都合で、荷物を受け取る場所や届ける場所で待たされたとき。待った時間が30分以上のときです。国土交通省も運輸局も、30分以上の荷待ちが記録の対象、と案内しています。
基準は「以上」。ちょうど30分でも、対象になります。30分に届かないときは、記録を省略できる。国の記載例にも、30分未満は記録不要、という注記があります。
荷主の都合になる待機と、ならない待機がある
通達は、荷主の都合を、事業者の運行計画や運行指示によらない、荷主の指示等によるもの、と説明しています。事業者の都合で生じた待機は、含みません。たとえば、荷主から「荷物が出るまで待って」と言われた待機は、荷主の指示等によるものです。自分の都合で早く着いたときの待ち時間は、荷主の都合に入らない。
判断に迷うときは、待たされた理由をメモしておくと、運輸支局に確かめやすくなります。
荷待ちの記録は、業務記録に1年保存する
荷待ちの記録は、業務記録に残し、1年間保存します(第8条)。紙でも、パソコンやスマホでもかまいません。デジタルタコグラフなど、ほかの方法で同じ項目を記録しているなら、書き写す必要はない。国の記載例が、そう案内しています。
02荷待ちの記録の30分は、到着から出発までの時間から荷役と休憩を引いて数える
30分の数え方は、国の通達(貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について)に書かれています。読んだのは、国土交通省のサイトに載っている現行版。最終改正は令和8年6月26日です。細かい点は、運輸支局でも確かめてください。
順に見ていきます。
到着から出発までの時間から、荷役と休憩の時間を引く
待機の時間は、引き算で出す。到着から出発までの時間から、荷役の時間と、休憩の時間を引いた分です。たとえば、9時に着き、10時半に出発したとします。9時50分から10時20分までが荷役で、休憩がなければ、待機は60分。90分から荷役の30分を引いた時間で、30分以上です。
荷主の都合で待たされていたなら、60分の待機が記録の対象になります。荷積みや荷卸しの時間は、待機に入りません。
10分未満の休憩は、休憩の記録を省略してよい
待機の途中で休憩をとったときは、休憩の時間を引いて数えます。通達は、10分未満の休憩について、休憩としての記録を省略して差し支えない、としている。待機から引く扱いとは、別の話です。
03荷待ちで記録する項目:場所・到着・荷役・出発の日時
荷待ちで記録する項目は、規則の第8条第1項七号に書かれています。項目は、次の3つにまとまる。
- 集貨地点等と、荷主から指定された到着の日時を残す
- 到着した日時と、出発した日時を残す
- 荷役作業や荷造りの開始と終了の日時を残す
順に見ていきましょう。
集貨地点等と、荷主から指定された到着の日時を残す
集貨地点等は、荷主の都合で集貨や配達を行った場所のこと。荷物を受け取る場所や、届ける場所です。どこで待ったのかを残します。荷主から到着の日時を指定されていたときは、指定の日時も残す。指定がなければ、書かなくてかまいません。
到着した日時と、出発した日時を残す
到着した日時と、出発した日時も、項目に入っています。到着と出発の2つがそろえば、待った時間が分かります。到着の記録が抜けると、30分以上待ったことを示せません。
荷役作業や荷造りの開始と終了の日時を残す
荷役作業(積み込みと取り卸し)をしたときは、開始と終了の日時を残します。荷造りや仕分けなど、運送にともなう作業(附帯業務)をしたときも、同じ。
04荷待ちとは別に、荷役作業の記録は1時間以上が基準になる場合がある
荷役作業そのものの記録は、第8条第1項八号に書かれています。荷待ちの30分とは、別の決まりです。
順に見ていきましょう。
契約書に作業が全て書かれているときは、合計1時間以上が記録の対象
荷主との契約書に、やる作業が全て書かれているときは、荷役作業等に要した時間が1時間以上のときだけ記録します。契約書は、取引の条件を書いた書面のことです。
契約書に書かれていない作業が一つでもあるときは、した作業を全て記録する
契約書に書かれていない作業が、一つでもあるときは、1時間の基準がありません。した作業を全て記録します。国のQ&Aも、同じ扱いを案内しています。
荷役作業の内容と、荷主の確認も残す
荷役作業の内容も、記録する項目。荷主が確認したときは、確認したことを示す事項を残します。確認が得られなかったときは、得られなかったと残す。
05荷待ちの時間を、待っているあいだに記録するやり方
あとで思い出して書くと、時間がずれやすい。待っているあいだに残すと、ずれが少なくなります。Doreco は、LINEで使える点呼・業務記録のサービス。荷待ちの記録に使える機能を、紹介します。
順に見ていきましょう。
ボタンかLINEで、到着・荷役はじめ・荷役おわり・出発を残す
業務中は、到着・荷役はじめ・荷役おわり・休憩・出発を、ボタンで記録できる。Doreco のLINEに「新宿着いた」と送るだけでも、記録できます。アプリを開かずに済みます。
到着からの待機を数え、30分以上で「荷主の都合か」を聞く
Doreco が数えるのは、到着から荷役はじめ(荷役をしないときは出発)まで。休憩をとったときは、休憩の分を引きます。荷主から到着の時刻を指定されていて、指定より早く着いたときは、指定の時刻から数える。
国の数え方は出発までなので、荷役が終わったあとの待ち時間は、Doreco では数えません。荷役のあとに待たされたときは、あとから時刻を直して、足してください。待機が30分以上になると、「荷主の都合か」を聞きます。荷主の都合と答えた待機が、荷待ちの記録に入ります。
残した時間は、荷主や元請との話し合いの材料になることがある
プロの機能として、荷主や納品先ごとの荷待ちの回数と、合計の時間を見られる。待機料は、待たされた時間に対して払われるお金。取引先との取り決めしだいで、必ず取れるとは言えません。ただ、取り決めがあるときは、残した時間が話し合いの材料になる。
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06軽貨物の荷待ち記録のよくある質問
最後に、よくある疑問に答えます。
順に答えます。
一人で事業をしていても、荷待ちの記録は必要ですか?
必要です。第8条は、運転者ごとの業務記録を作って1年保存することを、事業者に求めている。
一人で事業をしている場合、運転者も事業者も本人。荷待ちの記録は、業務記録の一部として残します。
荷主の都合かどうか分からないときは、どうしますか?
通達は、事業者の運行計画や運行指示によらない、荷主の指示等によるものを、荷主の都合としている。
判断に迷うときは、待たされた理由をメモして、運輸支局に確認してください。Doreco なら、30分以上待ったときに、荷主の都合かどうかを選べます。
バイク便でも、荷待ちの記録は必要ですか?
軽貨物の届出で、二輪だけを使うバイク便は、第8条の業務記録の対象に入っていません。
対象は、四輪以上の軽自動車を使う事業者です。許可の種類などで扱いが変わることがあるため、運輸支局に確認してください。
荷待ちの記録をしないと、どうなりますか?
記録の不備そのものに、罰金の定めはありません。条文集を読んだかぎりの答えです。
ただし、使用停止といった行政処分の対象になりえる。くわしくは、次の記事にまとめました。
関連記事軽貨物の記録の不備に罰金はない?車が使えなくなる処分と実例を整理›軽貨物の荷待ちは、荷主の都合で30分以上なら記録する
- 荷主の都合で30分以上待機したときが、記録の対象。30分未満は省略できる
- 待機は、到着から出発までの時間から、荷役と休憩を引いて数える
- 項目は、集貨地点等、指定された到着の日時、到着・荷役・出発の日時。記録は1年保存する
荷待ちは、時間を残しておくと、荷主や元請との話し合いにも使えます。
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