コラム

貨物軽自動車安全管理者の罰則:選任しないと罰金?対象と期限を整理

公開/Doreco 運営事務局

「選任しないと罰金?」と書かれた、青地に白いカードの記事アイキャッチ

貨物軽自動車安全管理者を選任しないと、どうなるのでしょうか。安全管理者の罰則は、100万円以下の罰金。ただし、猶予期間中の扱いは、期限の章で説明します。

ただし、罰金の対象は選任しないときだけではありません。本記事は、2026年10月時点の国土交通省の条文集(令和8年6月1日更新)と、国の資料にもとづいています。内容は変わることがあるため、最新の案内は国土交通省や運輸支局でも確かめてください。

最後まで読めば、安全管理者の罰金と、過料・事業停止の処分が出てくる場面が分かります。

もくじ
  1. 01貨物軽自動車安全管理者の罰則:100万円以下の罰金になる3つの場面
  2. 02違反した本人にも事業者にも及ぶ、安全管理者の罰則
  3. 03選任の期限と、安全管理者の罰則の関係
  4. 04安全管理者の罰金とは別のもの:過料の罰則と、事業の停止の処分
  5. 05LINEで、安全管理者の期限と届出を忘れない
  6. 06貨物軽自動車安全管理者の罰則のよくある質問
  7. ✓まとめ

01貨物軽自動車安全管理者の罰則:100万円以下の罰金になる3つの場面

貨物軽自動車安全管理者は、運行の安全の確保に関する業務を行う人。営業所ごとに1人を選任し、国土交通大臣に届け出ます。選任や届出の罰金は、貨物自動車運送事業法の第75条が定めており、上限は100万円です。

条文の番号つきで、順に見ていきましょう。

営業所ごとに安全管理者を選任しないと、罰金の対象になる

選任の義務は、同法の第36条の2第1項にあります。四輪以上の軽自動車で貨物を運ぶ事業者は、営業所ごとに安全管理者を1人選任する決まり。選任は、経営の届出(黒ナンバーの開業の届出)のあと速やかに行う。

安全管理者を選任しないと、第75条六号により、100万円以下の罰金の対象。四国運輸局のページには、一人で事業を行っている場合も選任が必要、と書かれています。

選任・解任の届出をしない、または虚偽の届出をしても、罰金の対象になる

選任したら、遅滞なく、氏名を国土交通大臣に届け出ます。解任したときも同じ(第36条の2第2項)。届出をしないときや、虚偽の届出をしたときは、第75条七号の罰金が当てはまります。

選任するだけでなく、届出までがひと続きの義務。

経営の届出をしないで事業を行っても、安全管理者と同じ罰金の対象になる

黒ナンバーで事業を始めるときは、国土交通大臣への経営の届出が必要(第36条第1項)。届出をしないで事業を経営すると、第75条十一号により、罰金の対象になります。

安全管理者とは別の義務ですが、罰金は同じ第75条に入っています。

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02違反した本人にも事業者にも及ぶ、安全管理者の罰則

従業員の違反なら、自分は関係ない。そう考える事業者もいるかもしれません。選任や届出の違反で科される罰金は、違反行為をした人が対象。さらに、法律には、選任や届出の違反で事業者にも罰金を科す定めがあります。

選任や届出をしなかった本人が、罰金の対象になる

安全管理者の選任や届出で違反行為をした人は、第75条により、100万円以下の罰金の対象。一人で事業を行う人は、本人と事業者が同じ人です。

従業員が選任や届出を怠ったときは、事業者も同じ罰金の対象になる

第80条は、法人の代表者や代理人、従業員が、事業者の業務について違反行為をしたときの定め。選任や届出の違反でも、行為者を罰するだけでなく、法人や事業者本人にも同じ罰金を科すとされている。

従業員に任せても、事業者の責任は残ります。届出が済んだかどうかは、事業者が自分で確かめておくと安心でしょう。

03選任の期限と、安全管理者の罰則の関係

猶予期間のあいだは、何も気にしなくてよいのか。そう迷う人もいるかもしれません。期限は、黒ナンバーの経営の届出をした時期で変わります。国土交通省の資料1は、既存の事業者の選任に、施行後2年の猶予期間を設けると説明しています。

自分が当てはまる時期から、確かめましょう。

2025年3月末までに届け出た事業者は、2027年3月までに選任する

令和7年(2025年)3月末までに経営の届出をした事業者は、令和9年(2027年)3月までに、講習を受けて選任します。国土交通省のリーフレットは「3月まで」と書いています。猶予期間のあいだに罰則がどう扱われるかは、確認した条文集(本則)に載っていません。資料1が説明するのは、選任そのものの猶予。罰則の扱いは、どちらとも書けません。不安なときは、管轄の運輸支局に確かめてください。期限の2027年3月より前に選任しておくと、迷わずに済む。

猶予が終わったあとに、安全管理者を選任していなければ、第36条の2第1項の義務に違反し、罰金の対象になりえます。Doreco 運営事務局では、安全管理者を知らない人や、猶予を理由に後回しにする人を見かけることもありました。期限の月を先にカレンダーへ入れておくと、忘れにくいでしょう。

2025年4月以降に届け出た事業者は、届出のあと速やかに選任する

令和7年(2025年)4月以降に経営の届出をする事業者には、猶予期間がありません。第36条の2第1項は、届出のあと「速やかに」選任すると定めています。四国運輸局のページは、事業開始までに速やかに選任する、と案内している。

講習は、事業を始める前に済ませましょう。

選任・変更・解任の届出は、事由が起きた日から1週間以内に出す

条文の期限は「遅滞なく」です(第36条の2第2項)。中国運輸局のページは、選任・変更・解任の届出を、事由が起きた日から1週間以内に出すと案内しています。届出先は国土交通大臣。

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04安全管理者の罰金とは別のもの:過料の罰則と、事業の停止の処分

安全管理者の罰金のほかに、知っておきたい決まりがあります。条文では、選任や届出の罰金(第75条)と、過料(第81条)は、別の条に分かれている。さらに、罰則とは別に、国が事業の停止を命じる処分もあります。

重大な事故を報告しないと、50万円以下の過料の対象になる

第23条は、転覆や火災といった重大な事故を引き起こしたとき、遅滞なく国土交通大臣へ届け出ると定めています。軽貨物の事業者にも、同じ決まりが当てはまります(第36条第2項)。報告をしないときや、虚偽の報告をしたときは、第81条四号により、50万円以下の過料の対象。

事業の廃止や死亡の届出をしないときも、50万円以下の過料の対象になる

事業を廃止したときや、事業の全部を譲渡したときは、遅滞なく届け出ます(第36条第3項)。法人が合併で消滅したときは、役員だった人が、合併の日から30日以内に届出。事業者が亡くなったときは、相続人が、死亡後30日以内に届出です(第4項・第5項)。

届出をしなかった人は、第81条六号により、50万円以下の過料の対象になります。

法律に違反すると、国から事業の停止を命じられることがある

第33条は、法律や、法律にもとづく命令・処分に違反したとき、国土交通大臣が処分を命じることができると定めています。軽貨物の事業者も、第36条第2項により対象。命じられるのは、6か月以内で期間を定めた、自動車や輸送施設の使用の停止、または事業の全部か一部の停止。罰則とは別の処分です。

停止の命令に従わないと、第71条一号により、1年以下の拘禁刑(身体を拘束する刑)といった罰則の対象になりえます。点呼や記録の不備そのものに、安全管理者の罰金のような定めは、確認した範囲では見当たらない。不備が見つかると、先に見た事業の停止という処分の対象になりえます。

05LINEで、安全管理者の期限と届出を忘れない

選任の期限、届出の日、2年ごとの定期講習と、覚える日付は続きます。たとえば Doreco は、LINEで使える点呼・業務記録のサービス。アプリのインストールも、車載機もいりません。

順に見ていきます。

講習の修了日や選任届の日を入れて、期限のお知らせを受け取る

Doreco には、講習や安全管理者の期限を知らせる、期限のお知らせ機能。講習の修了日や選任届の日を入れておくと、次の期限が近づいたときにお知らせします。

期限とやることは、安全管理者の1分チェックでも確かめられます。

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06貨物軽自動車安全管理者の罰則のよくある質問

一人で事業をしていても、選任しないと罰金の対象になりますか?

安全管理者の選任は、一人で事業を行っている場合も必要です。

選任の義務を果たさず、猶予が終わったあとも選任していなければ、第75条六号の対象。猶予期間のあいだの扱いは、条文集の本則に載っていません。不安なときは、運輸支局に確かめてください。

安全管理者の罰金は、必ず100万円になりますか?

いいえ。100万円は上限で、いつも100万円とは限らない。

実際に科されるかどうか、いくらになるかは、条文からは分かりません。気になるときは、専門家(弁護士など)に確認してください。

安全管理者の定期講習を受けないと、罰金になりますか?

定期講習は、選任の日から2年以内に受け、以後2年ごとに受ける義務です(第36条の2第3項)。

条文集の罰則の章を調べたところ、定期講習を受けないことを、安全管理者の罰金や過料の対象とする定めはありませんでした。ただし、定期講習も法律の定め。違反したときは、先に見た事業の停止の処分の対象になりえます。

バイク便でも、安全管理者の罰則は関係しますか?

第36条の2は、安全管理者の選任義務を、四輪以上の軽自動車で貨物を運ぶ事業者に限る。

バイク便の事業者には、選任義務がありません。国土交通省の資料でも、対象から除かれています。安全管理者を選任しなくても、第75条六号の罰金にはならない。ただし、二輪の自動車を使う事業も、貨物軽自動車運送事業に含まれる(第2条)。経営の届出をしないで事業を行うと、第75条十一号の罰金の対象になりえます。詳しくは、管轄の運輸支局に確認してください。

まとめ

貨物軽自動車安全管理者の罰則は、選任と届出を押さえる

  • 安全管理者の選任・届出をしないと、100万円以下の罰金の対象。従業員が選任や届出を怠ったときは、事業者も罰金の対象
  • 過料(50万円以下)は、事故の報告や廃止の届出が対象。事業の停止は、安全管理者の罰金や過料とは別の処分
  • 2025年3月末までに届け出た事業者は、2027年3月までに選任する。猶予期間中の扱いは、運輸支局で確かめる

貨物軽自動車安全管理者の罰則は、選任と届出の日付を押さえておくと、備えやすくなります。

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